デンマーク

デンマーク留学ガイド — 大学・学費・奨学金・ビザの完全ガイド

デンマーク留学の大学選び・入学要件・学費・ビザ・卒業後の就労ビザまで網羅的に解説

デンマーク 2026-04-12

デンマークの大学・プログラムの選び方

デンマークの8公立大学と英語プログラムの特徴、出願タイムライン、交換留学と正規留学の比較を解説します。

デンマークの高等教育機関の種類と特徴

デンマークの高等教育は、欧州でもトップクラスの教育水準を誇り、国際的に高い評価を受けています。デンマークには大きく分けて3種類の高等教育機関が存在します。第一に「大学(University)」があり、研究を基盤とした学術教育を提供しています。デンマークには8つの公立大学があり、いずれもデンマーク政府から直接的に資金提供を受け、質の高い教育を提供しています(Study in Denmark)。第二に「ビジネスアカデミー(Business Academy / Erhvervsakademi)」があり、2年制の実践的な職業教育プログラムを提供しています。ビジネスアカデミーではAP(Academy Profession)学位を取得でき、マーケティング、IT、財務管理などの分野が人気です。第三に「大学カレッジ(University College / Professionshøjskole)」があり、3〜4年制の専門職学位(Professional Bachelor)プログラムを提供しています。教師、看護師、社会福祉士などの専門職養成に力を入れています。

これらすべての高等教育機関はEQF(欧州資格枠組み)およびデンマーク国内のNQF(National Qualifications Framework)に基づいて認定されており、取得する学位は国際的に通用します(Eurydice Denmark Higher Education)。デンマークの教育制度は「自律性(Autonomy)」を重視する「自治的公的機関(Self-governing Institutions)」モデルを採用しており、各大学は政府からの資金を受けつつも独自のカリキュラム設計や入学基準を設定できます。このモデルにより、各大学は国際的な競争力を維持しながらも高い教育品質を確保しています。デンマークの大学は世界大学ランキングにおいても安定して上位にランクインしており、特にコペンハーゲン大学はQS世界大学ランキングで毎年100位以内に入っています(QS Top Universities DTU)。研究投資額もGDP比で欧州最高水準にあり、研究を基盤とした教育が大きな特徴となっています。

デンマーク主要大学一覧と特徴

大学名所在地特徴・強み学費(非EU、年間目安)
コペンハーゲン大学(UCPH)コペンハーゲンデンマーク最大・最古の大学。1479年創立。医学・自然科学・人文学が特に強く、ノーベル賞受賞者を多数輩出。QS世界ランキング常連トップ100USD 13,000〜21,000
デンマーク工科大学(DTU)Kongens Lyngby(コペンハーゲン近郊)北欧最大の工科大学。工学・理工系・研究重視。150以上の企業との産学連携が活発。CDIO(Conceive-Design-Implement-Operate)教育モデル採用1学期7,500 EUR(2年修士で約30,000 EUR)
オーフス大学(AU)オーフスデンマーク第2の総合大学。1928年創立。医学・社会科学・ビジネスが強い。デンマーク第二の都市にあり生活費はコペンハーゲンより低いUSD 8,000〜15,000
南デンマーク大学(SDU)オーデンセ他5拠点デンマーク第3の大学。医学・工学・ビジネス。5つのキャンパスを持つ多拠点大学。ロボット工学研究で国際的に著名USD 8,000〜14,000
コペンハーゲン・ビジネス・スクール(CBS)コペンハーゲン北欧最大のビジネススクール。EQUIS・AMBA・AACSB三冠認定。MBA・経済学・国際経営。卒業生の就職率が高いUSD 10,000〜18,000
オールボー大学(AAU)オールボーPBL(問題基盤型学習)教育法で世界的に有名。ユネスコがPBLセンターを設置。工学・IT・デザインに強みUSD 8,000〜13,000
ロスキレ大学(RUC)ロスキレ学際的アプローチを重視。1972年創立の比較的新しい大学。人文・社会科学・環境科学に強み。少人数教育USD 8,000〜12,000
IT University of Copenhagen(ITU)コペンハーゲンデンマーク唯一のIT専門大学。CS・デジタルデザイン・データサイエンス・ゲームデザイン。少人数制で業界との連携が強いUSD 9,000〜14,000

プログラム検索においては、デンマーク政府公式の「Study in Denmark」ポータルが最も信頼性の高い情報源です(Study in Denmark ポータル)。このサイトでは、英語で受講できるプログラムを大学・分野・学位レベルで絞り込み検索でき、最新の入学要件や学費情報も掲載されています。修士課程では200以上の英語プログラムが提供されており、特にIT・工学・ビジネス・社会科学・デザイン分野が充実しています。一方、学士課程は主にデンマーク語で提供されていますが、近年は英語プログラムも増加傾向にあります。日本人留学生の場合、修士課程で留学するケースが最も一般的であり、英語プログラムの選択肢も広いことから、修士課程での留学を最初に検討することが推奨されます。また、各大学の公式サイトにもプログラム検索機能があり、Study in Denmarkポータルには掲載されていないプログラムが見つかることもあるため、両方のソースを確認することが重要です。MastersPortalなどの第三者サイトも比較検討に便利ですが、最終的な確認は必ず大学公式サイトで行ってください(MastersPortal Denmark)。

  • 認定(Accreditation)状況の確認:デンマーク認定機構(DEVA / Danmark Evalueringsinstitut)の認定を受けたプログラムのみが正式に認められた学位を授与できる。ビザ申請や卒業後の就職活動ビザにも影響するため、必ず確認すること。国家承認大学(State-recognized Institution)のプログラムを選ぶことで、卒業後最大3年の就職活動ビザが取得可能になる
  • 学位レベル:学士(Bachelor、3年制、180 ECTS)、修士(Master / Kandidat、2年制、120 ECTS)、博士(PhD、3年制)の3段階。日本の4年制大学卒業者は修士課程に直接出願可能。ECTSは欧州の単位互換制度で、日本の単位からの換算も各大学で対応している
  • キャンパス所在都市:コペンハーゲンは生活費が高い一方、就職機会やネットワーキングに有利。デンマーク最大の企業群が集中し、インターンシップ機会も豊富。地方都市(オーフス、オーデンセ、オールボー等)は家賃が20〜30%低く、コミュニティとの距離が近く、デンマーク文化への浸漬度が高い
  • コースワーク型かリサーチ型か:プログラムにより授業中心か論文・研究中心かが異なる。キャリア目標に応じて選択する。工学・IT系はプロジェクト型が多く、人文・社会科学系は論文重視の傾向がある
  • インターンシップ・産学連携の有無:DTUやCBSでは企業との連携プロジェクトが多い。就職を見据えた実践的経験を積みたい場合は重要な選択基準。DTUは150以上の企業パートナーを持ち、修士論文を企業プロジェクトとして行うことも可能
  • 卒業後のキャリアパス:デンマークで就職を希望するか帰国するかにより最適なプログラムが異なる。デンマーク就職希望なら、就職活動ビザ(最大3年)が取得できる国家承認大学のプログラムを選ぶことが必須条件。帰国予定の場合でも、デンマークの学位は日本を含む国際的な雇用市場で高く評価されている

日本人留学生に人気の分野と大学

日本人留学生がデンマークで学ぶ分野としては、IT・工学・デザイン・ビジネス・サステナビリティが特に人気です。デンマークはPBL(問題基盤型学習:Problem-Based Learning)を積極的に導入しており、特にオールボー大学はPBL教育法で世界的な評価を受けています。PBLでは少人数グループでの実践的プロジェクトが中心となり、チームワーク・問題解決能力・プレゼンテーション能力が求められます。日本の講義型教育に慣れた学生にとっては新鮮な体験となりますが、自主性と積極性が必要とされるため、事前の心構えが重要です。デンマークの大学では教授と学生の関係がフラットで、教授をファーストネームで呼ぶことも一般的です。この教育文化はデンマークの平等主義に根ざしており、国際学生にとっても開かれた学習環境が提供されています(Denmark.dk Studying)。デンマークの大学は特にグループワークとプレゼンテーションを重視しており、修士課程では最終論文(Thesis)に加えて、複数のプロジェクトレポートの提出が求められることが一般的です。

  • IT・コンピュータサイエンス → DTU(デンマーク工科大学)とITU(IT University of Copenhagen)が筆頭。DTUは研究型でアルゴリズム・機械学習・ロボティクスに強く、ITUはデジタルデザイン・ゲームデザイン・UXリサーチに特化。両校ともコペンハーゲン圏のテックエコシステムと密接に連携しており、在学中からスタートアップとの接点が持てる
  • デザイン・建築 → KADK(王立デンマーク芸術大学)とAAU(オールボー大学のデザイン学部)。北欧デザインの本場で学ぶ貴重な機会。KADKは建築・デザイン・保存修復の3分野で世界的に評価が高く、AAAスクール(Aarhus School of Architecture)も建築分野で著名。デンマークデザインの伝統(機能美・ミニマリズム・サステナビリティ)を直接体験できる
  • ビジネス・経営 → CBS(コペンハーゲン・ビジネス・スクール)とAU(オーフス大学ビジネス・ソーシャルサイエンス学部)。CBSは欧州トップ10のビジネススクールとして知られ、EQUIS・AMBA・AACSBの三冠認定を取得。国際経営・イノベーション・社会起業家精神の分野で特に強い
  • 環境・サステナビリティ → DTU、UCPH(コペンハーゲン大学)、RUC(ロスキレ大学)。デンマークはグリーンエネルギー先進国であり、風力発電の世界的リーダー。この分野の研究は世界をリードしており、Vestas、Ørstedなどの大企業との連携研究プロジェクトに参加する機会も豊富
  • 医療・公衆衛生 → UCPH(コペンハーゲン大学医学部)とSDU(南デンマーク大学医学部)。デンマークの医療制度は北欧モデルの典型であり、公衆衛生・疫学・臨床研究の分野で国際的に高い評価を受けている。Novo Nordiskなどの製薬大手との連携も活発

出願タイムラインと準備計画

出願タイムラインについては、多くのデンマークの大学は秋入学(9月開始)が標準で、出願締め切りは3月1日〜15日に設定されていることが多いです。一部のプログラムでは2月1日が締め切りの場合もあります(DTU Admission and Deadlines)。非EU学生は特に早めの準備が必要です。IELTS/TOEFLの受験(1年前推奨)、成績証明書の公式英語翻訳の取得、推薦状の依頼、志望動機書の作成などを考慮すると、留学の1.5〜2年前から準備を開始するのが理想的です。コペンハーゲン大学やDTUなどの人気プログラムでは競争率が高いため、第一志望のほかに複数のプログラムに出願することも検討してください(UCPH Masters Application)。出願にあたっては、各大学のオンラインポータルから直接申請する方式が一般的です。デンマークには日本の「共通出願システム」に相当するものはなく、大学ごとに独立した出願プロセスがあるため、複数校に出願する場合はそれぞれの大学で個別に手続きを進める必要があります。なお、春入学(2月開始)を受け付けるプログラムもありますが、数は限られており、多くの場合は秋入学が推奨されます。

交換留学 vs 正規留学の選択

デンマーク留学には大きく分けて「交換留学」と「正規留学(学位取得)」の2つのルートがあります。それぞれの特徴を理解し、自分の目的・予算・キャリアプランに合った選択をすることが重要です。交換留学は日本の大学とデンマークの大学が締結した協定に基づいて行われ、通常1学期〜1年間の留学となります。学費は日本の所属大学に支払い、デンマーク側の学費は免除されるため、費用面でのハードルが低いのが大きなメリットです。交換留学で取得した単位は帰国後に日本の大学で認定される場合が多く、卒業の遅れを最小限に抑えることが可能です。一方、正規留学はデンマークの大学に直接入学して学位を取得するもので、修士号(2年)を取得できるため、卒業後のデンマーク就職に直結する強力なルートです(Study in Denmark Exchange)。正規留学の場合は非EU学生として学費が発生しますが、Danish Government Scholarshipなどの奨学金で学費免除を受けられる可能性もあります。また、夏期にはサマースクールプログラムも提供されており、2〜8週間の短期留学でデンマークの教育を体験することができます。サマースクールは正規留学の下見としても有効な選択肢です。

交換留学と正規留学の比較

項目交換留学正規留学(学位取得)
期間1学期〜1年間学士3年、修士2年、PhD3年
学費日本の所属大学の学費のみ(デンマーク側は免除)現地大学の学費が発生(非EU:年間USD 8,000〜21,000)
ビザ要件90日を超える場合は学生ビザ(ST1)が必要学生ビザ(ST1)が必須
学位取得デンマークの学位は取得不可(日本の大学の学位を取得)デンマークの大学の学位を取得可能
卒業後の就職活動ビザ対象外(日本の大学に帰国が前提)国家承認大学なら最大3年の就職活動ビザ取得可能
メリット費用が抑えやすい・帰国後も日本の学位取得・異文化体験デンマークの学位取得・現地就職に有利・深い専門知識
デメリット学位取得不可・協定校のみ・期間が短い費用が高い・準備期間が長い・日本での就活タイミングに注意

サマースクールとプレ留学体験

デンマークの大学は夏期(6月〜8月)にサマースクールプログラムを提供しており、正規留学の前に大学の雰囲気や教育スタイルを体験する絶好の機会となっています。コペンハーゲン大学のサマースクールは2〜6週間のコースを提供しており、社会科学・人文学・自然科学の幅広い分野から選択できます。DTUもサマースクールを実施しており、工学・IT系の短期集中コースが人気です。サマースクールの学費は通常EUR 500〜3,000程度(プログラムにより異なる)で、修了証(Certificate of Completion)が発行されます。取得した単位は、正規入学後に単位として認定される場合もあるため、出願前に確認しておくとよいでしょう(UCPH Summer Courses)。サマースクール参加者には、プログラム中に大学の施設を利用する権限が与えられるほか、文化プログラムやエクスカーション(小旅行)が組み込まれていることが多く、デンマーク文化を短期間で効率的に体験できます。日本からの参加者も年々増加しており、正規留学を決断する前の「お試し」として活用する学生が多い傾向にあります。また、サマースクールでの成績や教授との関係性が、のちの正規出願時に有利に働くケースもあります。

デンマークの大学を選ぶ際には、大学の国際化度合いも重要な判断基準となります。各大学は国際学生の割合を公開しており、CBSでは修士課程の学生の約30%が留学生で構成されています。コペンハーゲン大学は160カ国以上からの国際学生を受け入れており、多様な文化的背景を持つ学生との交流が日常的に行われています。オールボー大学のPBLプログラムでは、意図的に異なる国籍の学生でグループを構成することがあり、グローバルなチームワーク経験を積むことができます。大学のキャンパス環境も選択の重要な要素です。DTUのLyngbyキャンパスは広大な緑地に囲まれた郊外型で、研究に集中できる静かな環境が特徴です。一方、CBSやITUはコペンハーゲン市内中心部にキャンパスを構え、都市型の大学生活を楽しめます。キャンパスの雰囲気やロケーションは、日々の学習モチベーションや生活満足度に大きく影響するため、可能であればオープンデーやバーチャルキャンパスツアーを通じて事前に確認しておくことをお勧めします(Study.eu Denmark)。

デンマークの大学では、学生の自主性を重視する教育文化が根付いており、グループワークやプロジェクトベースの学習が多くのプログラムで標準となっています。特にロスキレ大学(RUC)やオールボー大学(AAU)は「問題解決型学習(PBL)」の先駆者として国際的に知られ、学生は実社会の課題に取り組むことで実践的なスキルを身につけます。Study in Denmarkのポータルサイトでは、各大学のプログラム詳細や入学時期、カリキュラムの特徴を横断的に比較検索できるため、留学先選びの第一歩として活用することを強くお勧めします。

プログラム選びでは、大学の国際ランキングだけでなく、卒業後の就職率や産業界との連携実績も重要な判断材料です。QS世界大学ランキングではDTUが工学分野で世界トップ100に入っており、特にサステナビリティ関連の研究分野で高い評価を受けています。コペンハーゲン大学は医学・自然科学分野で、オーフス大学は社会科学・政治学分野でそれぞれ国際的な評価を確立しています。各大学のウェブサイトでは在学生や卒業生の体験談(testimonials)が公開されていることが多く、リアルな学生生活のイメージを掴むために非常に参考になります。

入学要件と語学スコア

修士課程を中心に、語学スコア・GPA・出願書類の要件と出願準備チェックリストを詳解します。

デンマークの大学への入学要件概要

デンマークの大学は国際学生の受け入れに積極的であり、特に修士課程では英語のみで出願・就学できるプログラムが豊富です。出願に必要な要件は大学・プログラムによって異なりますが、共通して求められるのは「学位資格(高校卒業証明または学士号)」「英語語学スコア」「成績証明書」の3点です。デンマークの大学は欧州の統一的な学位枠組み(ボローニャ・プロセス)に準拠しており、日本の4年制大学の学士号は多くの修士課程で入学資格として認められています。ただし、学士号の専攻分野がプログラムの入学要件と一致している必要があり、異分野からの出願はケースバイケースで判断されます。たとえば、CBS(コペンハーゲン・ビジネス・スクール)のMBAプログラムは経営学の学士号を求めませんが、修士課程(MSc in Business Administration等)では関連分野の学士号が必要です(Study in Denmark Language Requirements)。デンマークの大学の入学審査は総合的な評価方式を採用しており、語学スコアやGPAだけでなく、志望動機書やCV(職務経歴書)の内容、推薦状、関連する実務経験なども考慮されます。

英語語学要件一覧(主要テスト別)

テスト修士課程一般目安UCPHDTUAU / CBS
IELTS(Academic)6.5〜7.0以上6.5(一部プログラム7.0)6.5以上AU: 6.5 / CBS: 7.0
TOEFL iBT83〜100以上83〜100(プログラムにより異なる)80以上AU: 83 / CBS: 94
Cambridge C1 Advanced (CAE)Grade C以上Grade C以上Grade C以上Grade B〜C
Cambridge C2 Proficiency (CPE)Grade C以上Grade C以上Grade C以上Grade C以上
PTE Academic62〜70以上プログラムにより異なる62以上AU: 62 / CBS: 72
日本の英語教育課程大学により免除可能性あり個別審査で認める場合あり個別審査AU・CBS:原則不可

学士課程の入学要件(日本の高校卒業者向け)

デンマークの学士課程に日本の高校卒業証明書だけで直接入学することは、多くのプログラムで難しいのが現状です。デンマークの高等教育入学資格はデンマーク国内の高校卒業試験(STX / HHX / HTX / HF)を基準としており、日本の高校卒業はこれに完全には対応していません。そのため、日本の高校卒業者がデンマークの学士課程を目指す場合は、以下のいずれかのルートを取るのが一般的です。最も一般的なのは、日本の大学を卒業した後に修士課程で留学するルートです。これにより学位の互換性の問題を回避でき、英語プログラムの選択肢も修士課程のほうが圧倒的に多いため、日本人留学生にとって最も実現しやすい方法となっています。国際バカロレア(IB)ディプロマを取得している場合は、デンマークの学士課程に直接出願が可能です。IBは国際的に認められた高校卒業資格であり、デンマークの大学はIBを正式な入学資格として認めています。なお、出願方法については、デンマーク語プログラムはOptagelse.dkの共通出願システムを通じて行いますが、英語プログラムは各大学の独自ポータルから出願する場合が多い点にも注意が必要です(AU International Applicants)。

  • 日本の大学を卒業 → 修士課程で留学(最も一般的かつ推奨されるルート):日本の4年制大学の学士号は修士課程の入学資格として広く認められている。英語プログラムの選択肢が200以上あり、専攻の幅も広い
  • 国際バカロレア(IB)ディプロマ取得者はデンマークの学士課程に直接出願可能:合計スコアや科目要件はプログラムにより異なるが、一般に28〜32点以上が目安。HL(Higher Level)で関連科目を履修していることが求められる場合もある
  • デンマーク語学習後にデンマーク語プログラムに出願:HTX / STX相当の認定が必要。デンマーク語能力試験(Studieprøven)の合格が必須。準備期間は通常1〜2年
  • 一部大学のFoundation Year / Preparatory Courseを経て正規学部入学:数は限られるが、ビジネスアカデミーや大学カレッジでは準備コースを提供している場合がある。修了後に学士課程への編入が可能になるケースもある

修士課程の入学要件

修士課程は日本人留学生にとって最も入りやすいルートです。日本の4年制大学の学士号を持っていれば、多くのデンマークの大学の修士課程に出願資格があります。ただし、単に学士号を持っているだけでは不十分で、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、専攻分野の一致が重要です。多くのプログラムでは、関連分野の学士号を取得していることが求められます。たとえば、コンピュータサイエンスの修士課程に出願するには、CS・情報工学・数学・物理学などの学士号が必要です。次に、GPA(成績評価値)の要件があります。デンマークの大学は独自の成績評価システム(7段階スケール)を使用しており、日本のGPAからの換算方法は大学によって異なりますが、一般的にGPA 2.7/4.0以上(日本の大学のB平均以上)が目安とされています。競争率の高いプログラムでは、より高いGPAが求められます。推薦状は通常2〜3通必要で、大学教授または直近の職場の上司からの推薦が望ましいとされています。志望動機書(Statement of Purpose / Motivation Letter)は出願書類の中でも特に重要視されており、なぜそのプログラムを選んだのか、卒業後のキャリアプランは何かを具体的かつ説得力のある形で記述することが求められます。

主要大学の修士課程出願に必要な書類

書類UCPHDTUAUCBS
成績証明書(英語公式翻訳)必須必須必須必須
学位証明書(英語公式翻訳)必須(在学中の場合は見込み証明書)必須必須必須
英語語学スコア証明書必須(IELTS/TOEFL等)必須必須必須
CV / 履歴書(英語)推奨(一部プログラムで必須)必須推奨必須
志望動機書(Motivation Letter)必須(500〜1,500語が一般的)必須必須必須
推薦状2通2通なし(一部プログラムのみ)2通
出願手数料なしなしDKK 1,125(約150 EUR・非EU学生のみ)なし
ポートフォリオデザイン系のみ該当なし該当なし該当なし

出願システムについて補足すると、デンマークの修士課程は各大学が独自のオンラインポータルを通じて出願を受け付けています。日本のように共通の出願システムはなく、大学ごとに独立した手続きが必要です。出願締め切りは多くの場合3月1日〜15日(秋入学・9月開始)に設定されていますが、非EU学生向けには1月15日〜2月1日のより早い締め切りを設けているプログラムもあります。出願開始は通常11月〜12月頃からとなっており、書類の準備に十分な時間を確保するため、出願の6ヶ月前には準備を始めることが推奨されます。結果通知は通常4月〜6月に届きます。EU学生と非EU学生で通知時期が異なる場合があり、非EU学生はやや遅れることがあります(DTU Admission Requirements for Exchange)。

  1. 語学テスト(IELTS/TOEFL)受験 — 出願1年前までに取得推奨。有効期限は受験から2年間なので、出願締め切り時点で有効であることを確認
  2. 成績証明書・卒業証明書の公式英語翻訳準備 — 日本の大学で「英文成績証明書」を発行依頼。発行まで1〜4週間かかるため早めに手配
  3. 志望動機書(Motivation Letter)の作成 — 500〜1,500語の英語で、プログラムへの関心・キャリア目標・自分の強みを具体的に記述。複数回推敲し、可能であればネイティブスピーカーに添削を依頼
  4. 推薦者への依頼(教授・職場上司)— 2通が一般的。依頼は出願の2〜3ヶ月前に。推薦者にはプログラム名と出願先を伝え、具体的な推薦ポイントを共有しておく
  5. CV(英語版履歴書)の作成 — 学歴・職歴・研究経験・スキル・言語能力を記載。欧州式CV(Europass形式)が好まれる場合もある
  6. 各大学のオンラインポータルでアカウント作成・出願フォーム記入 — 書類のアップロード形式(PDF推奨)やファイルサイズ制限を事前に確認
  7. 出願手数料の支払い(AU等の有料大学の場合)— クレジットカードまたは銀行送金

日本人留学生のための出願戦略

日本人留学生がデンマークの修士課程に出願する際には、日本の大学教育がデンマークの入学基準でどのように評価されるかを理解しておくことが重要です。デンマーク教育省(UFM)は各国の教育資格に関する一般評価(General Assessment)を公開しており、日本の4年制大学の学士号はデンマークの修士課程への入学資格として広く認められています。ただし、日本のGPAの計算方法はデンマークの7段階評価システム(12-Scale)と異なるため、大学独自の換算基準が適用されます。一般的には、日本のGPA 3.0/4.0以上があれば多くのプログラムで競争力のある出願が可能です。GPAが2.7〜3.0程度の場合でも、志望動機書や関連する実務経験で補える場合がありますが、人気プログラムでは不利になる可能性があります(UFM General Assessments)。

志望動機書(Motivation Letter / Statement of Purpose)は出願書類の中でも特に重視される要素です。デンマークの大学の審査官は、志望動機書を通じて以下の点を評価しています:(1) なぜデンマークで学びたいのか、(2) なぜこの特定のプログラムを選んだのか、(3) 学業・職業上の経験がプログラムとどう関連しているか、(4) 卒業後のキャリアビジョンは何か。日本人留学生にありがちなミスとして、抽象的な表現(「国際的な環境で学びたい」「グローバルな視野を広げたい」等)のみで具体性に欠ける志望動機書を書いてしまうケースがあります。具体的なプログラム名、教授名、研究テーマ、カリキュラムの特定科目に言及し、自分の経験とプログラムの具体的な接点を示すことが重要です。文字数は通常500〜1,500語(英語)が指定されており、この範囲を超過または大幅に下回ることは避けてください。作成後は英語ネイティブスピーカーに添削を依頼し、文法・語法の誤りを修正することが強く推奨されます。

推薦状(Letter of Recommendation)は通常2通求められ、大学教授からのアカデミックな推薦状が最も望ましいとされています。職務経験がある場合は1通を直属の上司からの推薦状にすることも可能です。推薦状の依頼は出願の2〜3ヶ月前に行い、推薦者にはプログラムの情報と自分のアピールポイントをまとめた文書を提供しておくと、より効果的な推薦状を書いてもらえます。デンマークの大学では推薦状を推薦者から直接提出(メール送付)することを求めるケースと、出願者経由で提出するケースがあるため、各大学の指定方法を確認してください。また、日本の大学の成績証明書は「英文成績証明書」を公式に発行してもらう必要があります。発行には1〜4週間かかることが多いため、出願スケジュールに余裕を持って手配してください。卒業見込みの場合は「卒業見込み証明書(Expected Graduation Certificate)」を英語で用意する必要があります。

出願準備タイムライン(秋入学の場合)

時期準備内容備考
留学18ヶ月前(前年4月頃)IELTS/TOEFL受験準備開始。大学・プログラムのリサーチ開始語学スコアの有効期限は2年間
留学15ヶ月前(前年7月頃)IELTS/TOEFL初回受験。目標スコアに届かなければ再受験計画を立てるIELTS 7.0以上が理想。再受験は1ヶ月後から可能
留学12ヶ月前(前年10月頃)志望動機書のドラフト作成開始。推薦者への依頼推薦者には出願先プログラムの詳細を伝える
留学10ヶ月前(前年12月頃)英文成績証明書・卒業(見込み)証明書の取得。CV作成日本の大学での発行に1〜4週間かかる
留学9ヶ月前(1月頃)奨学金情報の確認。志望動機書の最終版完成。推薦状の回収一部プログラムは2月1日締切あり
留学8ヶ月前(2月頃)オンラインポータルで出願フォーム入力・書類アップロード締切は3月1日〜15日が一般的
留学6ヶ月前(4月頃)合格通知の受領。奨学金結果の確認不合格の場合は他大学の追加募集を確認
留学4ヶ月前(6月頃)学生ビザ(ST1)申請開始。住居の申込ビザ処理に最大2ヶ月かかる
留学2ヶ月前(8月頃)渡航準備。保険加入。ビザ受領確認航空券は早期予約で費用を抑える

ポートフォリオとモチベーションレターの重要性

デンマークの大学院では、学業成績だけでなく、志望動機書(Motivation Letter)や研究計画書の質が合否を大きく左右します。特にコペンハーゲン大学やオーフス大学の人気プログラムでは、応募者の学問的関心と将来のキャリアビジョンが明確に示されているかが重要な評価基準となります。志望動機書では、なぜデンマークを選んだのか、なぜそのプログラムが自分の研究関心に合致するのかを具体的に説明し、過去の研究経験やプロジェクトとの関連性を示すことが求められます。Masters Portalでは、出願書類の準備に関する包括的なガイドが公開されています。

芸術・デザイン系やIT系のプログラムでは、ポートフォリオの提出が必須となるケースが多く、過去の作品やプロジェクトの成果を体系的にまとめる必要があります。デンマーク工科大学(DTU)の入学要件ページには、プログラムごとの具体的な必要書類リストが掲載されているので、出願前に必ず確認してください。また、推薦状は通常2通必要で、学術的な推薦者(指導教員や研究室の教授)からのものが最も重視されます。推薦者には出願の2〜3ヶ月前に依頼し、十分な準備期間を確保することが重要です。

デンマークの大学では、出願時にすべての書類を英語またはデンマーク語で提出する必要があり、日本語の成績証明書や卒業証明書は公認翻訳機関による翻訳証明が必要です。翻訳費用は1通あたり5,000〜15,000円程度が相場で、処理に1〜3週間かかるため、余裕を持って準備を進めてください。また、デンマーク高等教育省の学歴評価ガイドでは、外国の学位がデンマークの教育システムでどのように評価されるかの基準が公開されています。日本の大学の成績がGPA方式でない場合も、デンマークのECTS換算表に基づいて評価されるため、不利になることはありません。出願時には、成績証明書に加えてシラバスやコース説明を添付することで、履修内容をより正確に伝えることができます。

オンライン出願システムは大学ごとに異なりますが、多くのデンマークの大学ではKvotient(修士課程向け)やOptagelse.dk(学士課程向け)といった統合プラットフォームを使用しています。出願前にアカウントを作成し、システムの使い方に慣れておくことで、提出期限直前のトラブルを避けることができます。なお、SDU入学案内ページでは、出願手続きの各ステップが画像付きで解説されており、初めての出願者にとって非常に参考になります。特に重要なのは、アップロードするファイルのフォーマット要件(通常PDF形式、最大ファイルサイズ等)を事前に確認し、スキャンした書類の画質が十分であることを確認する点です。

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学費と奨学金

非EU学生の学費体系、コペンハーゲンの生活費、政府奨学金・大学独自奨学金・日本からの外部奨学金を詳述します。

デンマークの大学学費の仕組み

デンマークの高等教育は、EU/EEA加盟国の市民およびスイス国籍者には完全に無償で提供されています。これはデンマーク政府の教育政策の根幹であり、北欧モデルの特徴的な要素です。しかし、2006年の法改正以降、非EU/EEA学生(日本人を含む)にはフルコスト学費(Full-cost Tuition Fee)が課せられるようになりました。学費はプログラム・大学・分野によって大きく異なり、年間USD 6,000〜21,000程度の範囲に分布しています。一般的に、医学・工学・自然科学系のプログラムは実験設備や研究インフラのコストが反映されるため、人文・社会科学系よりも学費が高く設定される傾向があります。学費は通常、学期ごと(半年ごと)の分割払いが可能であり、プログラム開始前に全額を一括で支払う必要はありません(Study in Denmark Tuition Fees)。なお、EU離脱後の英国(UK)国籍者は非EU学生として扱われ、学費が発生します。学費は毎年改定される可能性があるため、出願時に最新の金額を必ず確認してください。

大学・プログラム別学費目安(非EU学生・年間)

大学プログラム例年間学費目安備考
DTU(デンマーク工科大学)修士(工学・IT全般)EUR 15,000/年(1学期7,500 EUR)2年修士で合計EUR 30,000(約480万円)。学費は全修士プログラム共通
コペンハーゲン大学(UCPH)修士(理系・社会科学)USD 13,000〜21,000/年プログラムにより異なる。医学系が最も高額。人類学修士はDKK 60,000/年
オーフス大学(AU)修士(ビジネス・理系)USD 8,000〜15,000/年出願手数料DKK 1,125が別途必要(非EU学生のみ)
南デンマーク大学(SDU)修士(工学・健康科学)USD 8,000〜14,000/年オーデンセは生活費がコペンハーゲンより20%低い
CBS(コペンハーゲン・ビジネス・スクール)修士(MBA・経営学)USD 10,000〜18,000/年MBA(フルタイム)は別価格体系。EQUIS三冠認定校
ITU(IT University of Copenhagen)修士(IT・データサイエンス)USD 9,000〜14,000/年少人数制・業界連携が特徴。コペンハーゲン中心部
AAU(オールボー大学)修士(工学・IT・デザイン)USD 8,000〜13,000/年PBL教育で有名。オールボーは生活費が最も低い大学都市の一つ

生活費の目安

デンマークは北欧の中でも生活コストが高い国の一つであり、特にコペンハーゲンは欧州の主要都市の中でも家賃が高額です。学生ビザ(ST1)の申請時には財政的自立を証明する必要があり、2026年現在の基準額は月額DKK 7,426以上(約16万円)の資金を留学期間分証明することが求められています。この金額はSIRI(Danish Agency for International Recruitment and Integration)が毎年設定するもので、生活費の実態に基づいて改定されます。コペンハーゲンでの生活費はこの基準額の上限近くになることが多く、オーフス、オーデンセ、オールボーなどの地方都市ではこの基準額内で十分生活できる傾向があります(Quora Copenhagen Living Cost)。住居を確保する際には、学生寮(Kollegium)が最もコストパフォーマンスが高い選択肢ですが、入居競争が激しいため早めの申請が不可欠です。食費については、自炊中心であればかなり節約可能で、Netto、Rema 1000、Lidlなどのディスカウントスーパーを活用すれば月DKK 2,000(約43,000円)程度に抑えられます。

コペンハーゲンでの月間生活費目安

費目月額目安(DKK)月額目安(JPY換算)備考
家賃(学生寮)3,500〜6,000約75,000〜130,000円学生寮は最安。民間アパートは8,000〜15,000 DKK
食費2,000〜3,500約43,000〜75,000円自炊中心なら2,000 DKK程度。外食は高額(ランチDKK 100〜200)
交通費(学生定期)300〜400約6,500〜8,600円自転車通学なら交通費ゼロも可能。Rejsekort(ICカード)利用
通信費(スマホ・WiFi)200〜300約4,300〜6,500円学生プランあり。大学WiFiは無料
教材費100〜500約2,200〜11,000円多くの教材はオンラインまたは図書館で入手可能
娯楽・日用品1,000〜2,000約21,500〜43,000円映画DKK 120〜140、ジムDKK 200〜400/月
合計目安7,000〜12,000約150,000〜258,000円地方都市なら5,500〜8,000 DKK(約120,000〜172,000円)に抑制可能

コペンハーゲン以外の都市で留学する場合、家賃は大幅に節約可能です。オーフスではDKK 3,000〜5,000、オーデンセではDKK 2,500〜4,500、オールボーではDKK 2,500〜4,000程度が学生住居の相場です。地方都市では自転車での移動が中心となるため交通費もほぼゼロに近づきます。デンマーク全体で自転車文化が根付いており、中古自転車はDKK 500〜2,000で購入でき、維持費もほぼかかりません。食費についても、地方都市のほうがやや低い傾向がありますが、スーパーの価格自体は全国的にほぼ同水準です。留学の総費用(学費+生活費)で考えると、DTUの修士2年間で約900〜1,200万円、地方大学(AU、SDU等)なら約600〜900万円が概算の目安となります(MastersPortal Tuition and Living Costs)。

デンマーク政府・大学の奨学金制度

デンマークには非EU学生向けの奨学金がいくつか存在し、上手に活用すれば留学費用を大幅に軽減できます。最も重要なのはDanish Government Scholarships(デンマーク国家奨学金)で、学費の全額または一部免除に加えて、月額の生活費補助(grant)が支給されます。この奨学金はデンマーク教育省の予算から支出されており、各大学を通じて配分されています。競争率は非常に高く、合格者は各大学で数名〜十数名程度と限られています。出願は多くの大学でプログラムへの出願と同時に行われ、別途の申請が不要な場合と、奨学金用の追加書類を提出する場合があります。出願時に「奨学金審査を希望する」旨のチェックボックスがあるケースが多いので、見逃さないように注意してください。各大学の独自奨学金としては、DTU Excellence ScholarshipやUCPH Excellence Programmeが有名で、成績優秀な学生に学費の全額〜一部免除を提供しています(Acadfly Denmark Scholarships)。

  • Danish Government Scholarships(デンマーク国家奨学金):学費全額免除+生活費補助(月額grant)。デンマーク教育省の予算から支出され、各大学を通じて配分。競争率は非常に高い。出願はプログラムへの応募と同時に行われることが多い。GPA・語学スコア・志望動機書が審査対象
  • DTU Excellence Scholarship:学費の一部または全額免除。DTUの修士課程に出願する成績優秀な非EU学生が対象。出願時に自動的に審査される。追加の申請書類は不要
  • UCPH Excellence Programme:コペンハーゲン大学の一部プログラムで提供。学費全額免除。最も競争率が高い奨学金の一つ
  • AU International Scholarship:オーフス大学独自の奨学金。学費免除または一部援助。非EU修士学生が対象。出願時に別途申請が必要
  • Erasmus+ / Erasmus Mundusプログラム:EU大学との交換協定がある場合に利用可能。月額の生活費補助+旅費補助。日本の大学がErasmusパートナーシップを持っている場合に応募可能
  • JASSO(日本学生支援機構)海外留学支援制度:月額DKK 約1,800〜2,300相当(2.4万〜3万円)の補助金。交換留学が主な対象だが、一部は正規留学にも適用。申請は日本の所属大学を通じて行う

日本から利用できる外部奨学金も複数存在します。文部科学省の海外留学支援制度(トビタテ!留学JAPAN後継プログラム)、ロータリー財団グローバル補助金(原則USD 30,000以上の支給)、笹川平和財団の海外留学奨学金などが候補となります。これらの外部奨学金とデンマーク大学の奨学金は多くの場合併用可能ですが、受給条件に「他の奨学金との併給禁止」条項がある場合もあるため、事前に確認が必要です。また、各地域の地方自治体や民間企業が提供する留学奨学金も見落としがちですが、競争率が低い穴場的な奨学金が存在することもあります。奨学金申請は1年以上前から準備を始めることが推奨されており、特に書類準備と推薦状の取得には十分な時間を確保してください。

主要奨学金比較表

奨学金名対象金額申請時期競争率
Danish Government Scholarship非EU修士・PhD学生学費全額免除+生活費補助(月額grant)大学出願と同時(3月1日〜15日頃)非常に高い
DTU Excellence ScholarshipDTU修士出願者学費一部〜全額免除出願時に自動審査高い
JASSO海外留学支援(協定校)交換留学生向け月額2.4万〜3万円大学の締め切りに準ずる中程度
ロータリー財団グローバル補助金大学院生・職業研修者原則USD 30,000以上各地区RCへ1年前に相談高い
Erasmus Mundus Joint Master修士課程参加者学費全額+月額1,400 EUR+渡航費通常11月〜1月締切非常に高い

SU助成金(Statens Uddannelsesstøtte / Danish State Education Grant)についても触れておきます。SUはデンマーク国内の学生向けの学習補助金制度で、2024年時点の受給額は独立居住学生で月額DKK 6,820(約147,000円)です。EU/EEA学生はデンマークで週10〜12時間以上働くことでSU受給資格を得られる場合がありますが、日本人(非EU)学生は原則としてSUの受給対象外です。ただし、デンマークで長期間就労した後に在学する場合など、極めて限定的な状況で例外が認められるケースもあります(Eurydice Denmark Higher Education Funding)。学費の分割払いについては、多くの大学が学期ごとの支払いを認めていますが、支払い遅延は除籍の原因になるため、期限厳守が重要です。DTUでは支払い条件の詳細がFees and Fundingページに明記されています(DTU Terms of Payment)。

学費の節約戦略と資金計画

留学費用を効果的に管理するためには、出発前から綿密な資金計画を立てることが不可欠です。まず、学費については、デンマークの大学は学期ごとの分割払いを認めているため、全額を一括で用意する必要はありません。ただし、支払い遅延は除籍の原因になるため、各学期の支払い期限を厳守してください。DTUでは修士課程の学費が全プログラム共通でEUR 7,500/学期に設定されており、2年間で合計EUR 30,000です。これに対してオーフス大学やオールボー大学では学費がやや低い傾向にあり、プログラムによってはEUR 5,000〜6,000/学期で学べる場合もあります。学費の安い大学を選ぶことも、留学費用を抑える有効な戦略の一つです(MastersPortal Affordable Universities)。

生活費の節約については、コペンハーゲン以外の都市を留学先に選ぶことが最も大きなインパクトを持ちます。オーフスでは家賃がコペンハーゲンの60〜70%程度に抑えられ、オーデンセやオールボーではさらに低い水準です。食費の節約には、ディスカウントスーパー(Netto、Rema 1000、Lidl)の活用が効果的で、週末のまとめ買いと作り置きにより月DKK 1,500〜2,000に抑えることも可能です。また、Too Good To Goアプリを利用すれば、閉店間際のカフェやレストランから格安でまとめて食品を購入できます。交通費については、デンマークは自転車インフラが整備されているため、自転車通学にすることで交通費をゼロに近づけることが可能です。中古自転車はDKK 500〜2,000で購入でき、Facebook Marketplaceや大学の掲示板で見つけることができます。教科書・教材については、大学の図書館での貸出やオンラインリソースを最大限活用し、中古教科書の購入やStudenterbyttenなどの学生間教科書交換サービスも検討してください(SDU Living Costs)。

アルバイト収入を資金計画に組み込む場合は、月90時間の就労制限と実際の求職活動に要する時間を考慮した現実的な見積もりが重要です。デンマークのアルバイト時給はDKK 130〜180と高水準ですが、学業に支障をきたさない範囲(週15〜20時間程度)での就労が推奨されます。これにより月DKK 8,000〜14,000程度の収入が見込めますが、税金(デンマークの所得税は累進課税で、年収DKK 46,700までは税率約37%、それ以上は最大52%)が差し引かれるため、手取り額は概ね60〜70%程度になることを計算に入れてください。なお、Frikort(免税カード)により年間DKK 46,700(2024年)までの所得は非課税となりますが、月90時間のアルバイト収入がこの上限を超える可能性があるため、税務登録(Skat.dk)を行い、適切に確定申告することが義務付けられています。為替リスクについても注意が必要で、DKKはユーロにペッグ(固定相場制で連動)されているため、円/ユーロレートの変動が直接的に留学費用に影響します。留学資金の一部をユーロまたはDKKで事前に両替しておくことでリスクを軽減できます。

留学資金の計画を立てる際には、学費だけでなく生活費全体を見据えた総合的な予算管理が不可欠です。コペンハーゲンでの月間生活費は平均約8,000〜12,000DKK(約16万〜24万円)とされており、家賃が最大の出費項目となります。大学の学生寮は民間アパートよりも大幅に安いため、入学決定後はすぐに寮の申し込みを行うことが重要です。University Livingでは、コペンハーゲンの学生向け住居オプションや費用相場を詳しく比較できます。また、自炊を基本とし、地元のスーパーマーケット(Netto、Lidl、Rema 1000など)を活用することで、食費を月3,000DKK以下に抑えることも十分可能です。デンマークでは学生割引が充実しており、交通機関のRejsekortや美術館・映画館の学割を積極的に利用することで、生活の質を維持しながら出費を抑えられます。

デンマークの大学では、学費の分割払いが可能な場合もあります。DTUでは学期ごとの支払いが基本で、DTU学費支払いページに詳細な支払い方法とスケジュールが記載されています。銀行送金やクレジットカード決済が利用でき、送金手数料を最小限に抑えるにはWise(旧TransferWise)などの国際送金サービスの活用も有効な選択肢です。なお、学費未払いの場合は履修登録が取り消される可能性があるため、支払い期限の管理には十分注意してください。

デンマークの多くの大学では、在学中のインターンシップやリサーチアシスタントのポジションにも報酬が支払われるため、これを学費や生活費の一部に充てることも可能です。特にCBS(コペンハーゲンビジネススクール)やITU(IT大学コペンハーゲン)では、企業と連携した有給インターンシッププログラムが充実しており、月額10,000〜15,000DKKの報酬を得られるケースもあります。

為替変動リスクへの対策も長期留学では無視できない要素です。デンマーク・クローネは比較的安定した通貨ですが、円安が進行した場合には実質的な留学コストが大幅に増加する可能性があります。渡航前に半年分程度の学費・生活費を一括で両替しておく、あるいは外貨預金口座を活用して計画的に為替リスクを分散させる方法が有効です。Pacificprimeのコスト比較レポートでは、デンマークの都市別生活費の最新データが掲載されており、予算計画の参考になります。

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学生ビザと在留手続き

ST1学生ビザの申請手順、必要書類、手数料、到着後のCPR登録・銀行口座開設までを時系列で解説します。

デンマーク学生ビザ(ST1)の基本

デンマークで90日を超えて留学する場合、学生ビザ(在留許可証 / Residence Permit for Study Purposes)の取得が必須です。この申請はST1フォームと呼ばれるオンライン申請書を使用して行います。処理担当機関はSIRI(Danish Agency for International Recruitment and Integration / Styrelsen for International Rekruttering og Integration)であり、デンマーク移民法に基づいて在留許可の審査を行います。日本国籍者はデンマークを含むシェンゲン圏に90日以内のビザなし入国が可能ですが、留学のような長期滞在には在留許可証が必要です。在留許可証の申請は原則として入国前に完了させる必要があり、許可証の発行を待ってからデンマークに渡航するのが正式なプロセスです。申請から許可まで最大60日(2ヶ月)かかることがあるため、入学予定日の3〜4ヶ月前には申請を完了しておくことが強く推奨されます。なお、2025年5月2日以降の規定変更により、国家承認されていない教育機関への留学生は就労許可が付与されない等の制約が追加されているため、最新の規定をSIRI公式サイトで確認してください(SIRI Higher Education Visa)。

ST1オンライン申請の手順

ST1申請はnewtodenmark.dk(nyidanmark.dk)のオンラインポータルで行います。申請プロセスは英語で提供されており、日本語対応はありません。以下の手順に従って申請を進めてください。まず、大学から入学許可書(Admission Letter / Letter of Acceptance)を受け取ることが前提条件です。入学許可書がなければST1申請を開始することはできません。入学許可書には、プログラム名・期間・学費・大学の正式名称が記載されている必要があります。次に、newtodenmark.dkでアカウントを作成し、ST1フォームに必要事項を入力します。フォームの入力項目は個人情報・パスポート情報・留学先情報・財政状況などです。すべての記入はラテン文字(英語)で行う必要があります。

  1. STEP 1:大学からの入学許可書(Admission Letter)を取得する。入学許可書にはプログラム名・期間(開始日〜終了日)・学費・大学名が明記されていること
  2. STEP 2:newtodenmark.dk でユーザーアカウントを作成する。メールアドレスの確認が必要
  3. STEP 3:ST1フォーム(Study - Higher Education)に必要事項を入力する。すべて英語(ラテン文字)で記入。パスポート情報・留学先情報・財政状況・デンマークでの住所(未定の場合は大学の住所を記載可能)
  4. STEP 4:必要書類をPDF形式でアップロードする。各ファイルの最大サイズに注意(通常5〜10MB以下)。書類が英語またはデンマーク語以外の場合は公認翻訳者による翻訳を添付
  5. STEP 5:申請手数料をオンラインで支払う(DKK 3,060 / 2026年)。クレジットカード(Visa / Mastercard)で支払い可能。手数料は非返金
  6. STEP 6:バイオメトリクス(指紋・顔写真)の登録 — 在日デンマーク大使館(東京・渋谷区)で予約の上実施。予約はオンラインで可能。所要時間は約30分
  7. STEP 7:SIRIによる審査開始 — 処理期間は通常1〜2ヶ月。審査状況はnewtodenmark.dkのマイページで確認可能
  8. STEP 8:在留許可証の承認通知を受け取り → デンマークへ渡航 → 到着後に市民センター(Borgerservice / International House)でバイオメトリックカード(在留カード)を受け取る

ST1申請に必要な書類一覧

書類詳細・注意点
有効なパスポート留学期間終了日+6ヶ月以上の有効期限があること。残存有効期限が不足する場合は事前にパスポートを更新
入学許可書(Admission Letter)大学から発行される正式な許可書。プログラム名・期間・学費が記載されていること。コピーではなく原本のPDFスキャン
財政証明書銀行残高証明(英語)で月額DKK 7,426 × 留学月数以上を証明。保護者名義の場合は保証書(Sponsor Letter)と保護者の残高証明を添付
証明写真パスポートサイズ(35mm × 45mm)。背景は白または薄い色。最近6ヶ月以内に撮影したもの
健康保険証明留学期間をカバーする民間健康保険の加入証明書。CPR番号取得後はデンマーク公的医療を利用可能だが、渡航直後のカバーのため保険加入を推奨
学費支払い証明(一部大学で要求)初回学期の学費支払いの証明書またはスクリーンショット。大学によっては入学許可書にこの情報が含まれている場合もある
宿泊証明(あれば)学生寮の入居確認書やアパートの賃貸契約書。渡航時点で未確定の場合は後日提出で可

申請手数料はDKK 3,060(2026年 / 約66,000円)です。オンライン支払いのみ受け付けており、クレジットカード(Visa / Mastercard)で支払います。手数料は申請結果にかかわらず返金されません。在留許可証の有効期間はプログラムの終了日までとなり、通常1〜2年間です。プログラムの延長や別のプログラムへの進学(修士→博士等)の場合は、在留許可の更新(Renewal)申請が必要です。更新手続きもnewtodenmark.dkで行い、手数料はDKK 3,060です。更新申請は現在の許可証の有効期限の3ヶ月前から可能であり、期限切れ前に必ず申請を完了させてください。オーフス大学はSIRI申請に関する詳細なガイドPDFを公開しており、非常に参考になります(AU SIRI Application Guide PDF)。

デンマーク到着後の手続き

デンマークに到着した後は、いくつかの重要な行政手続きを完了させる必要があります。これらの手続きはデンマークでの生活を本格的に始めるための基盤となるもので、到着後できるだけ早く(理想的には1〜2週間以内に)着手することが推奨されます。最も重要なのはCPR番号(Civil Registration Number / Det Centrale Personregister)の取得です。CPR番号はデンマークの社会保障番号に相当するもので、10桁の数字で構成されています。銀行口座の開設、医療機関の利用、公共サービスの利用、携帯電話の契約など、デンマーク生活のほぼすべての場面で必要となります。CPR番号は市民センター(Borgerservice)またはInternational House(コペンハーゲンの場合)に出頭して取得します。必要書類は在留許可証とパスポート、および住所を証明する書類(賃貸契約書など)です。コペンハーゲンのInternational Houseでは、複数の行政手続きをワンストップで完了できるため、コペンハーゲン地域に住む留学生にとって非常に便利です(Study in Denmark Student Jobs)。

  1. CPR番号の取得:市民センター(Borgerservice)またはInternational Houseに出頭。在留許可証・パスポート・住所証明(賃貸契約書)を持参。予約制の場合が多いため、渡航前にオンラインで予約を入れておくこと。処理には1〜2週間かかる場合がある
  2. MitID(デジタルID)の取得:デンマークのデジタル行政サービスにアクセスするための電子ID。オンラインバンキング、税務申告、公共サービスの利用に必須。CPR番号取得後にBorgerserviceまたはオンラインで申請可能。アクティベーションには物理的なコードレターの受領が必要(1〜2週間)
  3. 銀行口座の開設:CPR番号が取得できた後に開設可能。Danske Bank、Nordea、Jyske Bankなどの伝統的銀行のほか、Lunar(デンマーク発のデジタルバンク)やRevolut等のフィンテック銀行は開設手続きが比較的容易。給与受取やSU(該当する場合)の受取に必要
  4. 住民登録(Folkeregister):Borgerserviceで住所を正式に登録。CPR番号の取得と同時に行うことが多い。転居時は5日以内に新住所の届出が義務
  5. 大学の学生IDカード・ITアカウントの取得:入学時のオリエンテーションで案内される。学内WiFi、図書館、各種学生サービスへのアクセスに必要
  6. かかりつけ医(GP / Praktiserende læge)の登録:CPR番号取得後にsundhed.dk経由で登録可能。デンマークの公的医療制度では、まずGP(一般医)に受診し、必要に応じて専門医への紹介を受ける仕組み。GP受診は無料
  7. 携帯電話のSIM契約:CPR番号があれば主要キャリア(Telenor、Telia、3等)の学生プランに加入可能。月額DKK 79〜199程度。プリペイドSIMはCPR不要で購入可能

在留許可の更新と注意事項

在留許可の更新が必要になるケースとしては、プログラムの延長(休学後の復学等)、別のプログラムへの進学(修士→博士)、在留許可の有効期限が切れる前の延長申請などがあります。更新申請はnewtodenmark.dkで行い、手数料はDKK 3,060(2026年)です。更新申請は現在の許可証の有効期限の3ヶ月前から可能であり、遅くとも期限の1ヶ月前までには申請を完了させることが推奨されます。期限切れ後の滞在は違法となるため、早めの対応が不可欠です。更新に必要な書類は、在学証明書(大学からの学籍確認書)、新しいプログラムの入学許可書(進学の場合)、財政証明書(引き続き資金があることの証明)、有効なパスポートです。

在留許可申請・更新手数料一覧(2026年)

申請種別手数料(DKK)手数料(JPY概算)備考
新規ST1申請(学生ビザ)3,060約66,000円オンライン申請のみ。非返金
在留許可更新(ST1延長)3,060約66,000円期限3ヶ月前から申請可能
就職活動ビザ(Job Search Permit)840約18,000円卒業後に申請。国家承認大学卒で最大3年
就労ビザ(Pay Limit Scheme等)3,060約66,000円雇用契約取得後に申請

よくあるトラブルとその対処法についてまとめます。まず、申請処理の遅延については、SIRIの処理が標準の60日を超えることがあり、特に夏期(6〜8月)は申請が集中するため遅延が起きやすい傾向があります。入学日に間に合わない場合は、大学の国際学生オフィスに連絡して対応を相談してください。次に、財政証明の不足については、銀行残高が基準額(月額DKK 7,426 × 留学月数)に満たない場合、保護者や親族からの保証書(Sponsor Letter)と保証人の残高証明で代替できる場合があります。また、奨学金の受給証明書を財政証明に含めることも可能です。住所変更時の届出義務にも注意が必要で、デンマーク国内で転居した場合は5日以内にBorgerserviceに新住所を届け出ることが法的に義務付けられています。届出を怠ると罰金が課される可能性があります。なお、2025年5月以降、非国家承認機関の学生に対するアルバイト権の制限が強化されたため、これからビザ申請を行う方は最新の規定を必ず確認してください(ETIAS Denmark Student Visa Rule Changes)。

学生ビザでの就労規定と最新法改正

デンマークの学生ビザ(ST1)に付帯する就労許可は、留学生活の資金面を大きく支える重要な制度です。学期中は月90時間、夏期休暇中はフルタイム勤務が認められています。2025年3月以降に施行された新規定では、この就労許可の対象が「国家承認大学(State-recognized Institution)」の学生に限定されることになりました。デンマークの8つの公立大学(UCPH、DTU、AU、SDU、CBS、AAU、RUC、ITU)はすべて国家承認大学に該当するため、これらの大学に在籍する日本人留学生は引き続き就労が可能です。ただし、ビジネスアカデミーや一部のプライベートスクールは国家承認を受けていない場合があるため、出願前に必ず確認してください。就労時間の管理については、雇用主は学生の就労時間を記録する義務があり、SIRIが監査を行うことがあります。月90時間の制限を超過した場合、在留許可の取消しという最も重大なペナルティが科される可能性があるため、自分でも正確な就労時間の記録を付けておくことを強く推奨します(Schengen News Part-time Work Rules)。

デンマークでの就労にはCPR番号と税務登録が必要です。アルバイトを開始する前に、税務局(Skat)のオンラインポータルで税カード(Skattekort)を取得してください。税カードがないと、雇用主は最高税率(約55%)で源泉徴収を行うため、手取りが大幅に減少します。税カード取得後は、Frikort(免税枠)の範囲内であれば非課税でアルバイト収入を得ることができます。年間の確定申告は翌年の3月1日〜5月1日に行います。デンマークの税制はデジタル化が進んでおり、年次の確定申告(Årsopgørelse)はオンライン(Skat.dk)で完結します。日本との租税条約により、デンマークで納税した所得税は日本での確定申告時に外国税額控除として相殺できる場合があります。留学期間中の税務処理に不安がある場合は、大学の国際学生オフィスで無料の税務相談を受けることもできます。また、デンマークの労働法では、アルバイトであっても書面での雇用契約書(Ansættelseskontrakt)の作成が義務付けられています。口頭での合意だけで就労を開始することは避け、必ず契約書を受け取ってから業務を開始してください。

ビザ申請プロセスで最も注意すべき点の一つが、資金証明の要件です。デンマーク移民局(SIRI)は、留学期間中の生活費を自己負担できることの証明を求めており、2025年時点では月額約6,500DKK(年間約78,000DKK)以上の資金があることを銀行残高証明書で示す必要があります。この金額は毎年見直されるため、SIRI公式サイトで最新の要件を確認してください。資金証明は申請時点から3ヶ月以内に発行されたものが有効で、英語またはデンマーク語で記載されている必要があります。日本の銀行で英文残高証明書を発行してもらう場合、通常1〜2週間かかるため、早めの手配が必要です。また、奨学金の受給証明書も資金証明として認められるケースがあるため、奨学金が決定している場合は併せて提出することをお勧めします。

デンマークに到着後、最初に行うべき手続きの一つがCPRナンバー(個人登録番号)の取得です。CPRナンバーは、銀行口座の開設、医療サービスの利用、携帯電話の契約など、デンマークでの生活のあらゆる場面で必要となる基本的なIDです。市区町村の市民センター(Borgerservice)で申請でき、有効な在留許可証、パスポート、住所証明を持参する必要があります。申請から発行までは通常1〜2週間ですが、新学期の始まりには申請が集中するため、到着後できるだけ早く手続きを行うことが重要です。

在留許可の更新手続きについても理解しておくことが重要です。学生ビザは通常、プログラムの期間に合わせて発行されますが、プログラムの延長や変更がある場合は、在留許可の延長申請が必要になります。延長申請は現在の許可が失効する最低1ヶ月前までにSIRIのオンラインポータルを通じて行う必要があり、処理期間は約1〜2ヶ月です。申請中は合法的に滞在を続けることができますが、許可が下りるまで国外に出ないことが推奨されます。

デンマークでは2024年以降、学生ビザの規制が一部強化されており、在留目的が明確に学業であることを証明する書類の提出がより厳格に求められるようになりました。ETIAS情報サイトによると、この変更は就労目的でのビザ悪用を防止するためのもので、正当な留学生には影響は限定的です。ただし、申請書類の不備や記載ミスは審査の遅延や却下の原因となるため、提出前にダブルチェックを行い、可能であれば大学の留学生課にレビューを依頼することをお勧めします。

キャンパスライフと学生サポート

PBL教育・住居探し・学生アルバイト・国際学生サポート・デンマーク文化適応のヒントを紹介します。

デンマークのキャンパスライフの特徴

デンマークの大学生活は、日本の大学文化とはかなり異なる特徴を持っています。最も顕著な違いは教授と学生の関係性です。デンマークでは「平等主義」がすべての社会的関係の基本原理であり、大学においても教授と学生は対等なパートナーとして扱われます。教授をファーストネームで呼ぶのが一般的であり、講義中に反論や質問を積極的に行うことが推奨されています。これはデンマーク特有のJanteloven(ヤンテの掟)の裏返しでもあり、「権威に対して盲従しない」という文化的価値観が反映されています。授業形式としては、大規模な講義(Forelæsning)に加えて、少人数のセミナー(Seminar)やグループワーク(Gruppearbejde)が多く取り入れられています。特にPBL(Problem-Based Learning / 問題基盤型学習)はデンマークの大学教育の特徴的な手法であり、オールボー大学(AAU)では全プログラムでPBLが採用されています。PBLでは4〜6人のグループで実社会の問題に取り組み、学期を通じてプロジェクトレポートを作成します(Denmark.dk Studying)。

  • PBL(Problem-Based Learning):オールボー大学で特に有名だが、DTU・RUC等でも導入されている。4〜6人のグループで実社会の問題に取り組む。プロジェクト・マネジメント、チームワーク、プレゼンテーション能力が自然に身につく。日本の講義型教育に慣れた学生は最初戸惑うが、積極的に参加すれば最も実践的な学びが得られる
  • フラットな教育文化:教授をファーストネームで呼ぶのが一般的。授業中の質問・反論が推奨される。「正解」よりも「批判的思考」が評価される。日本からの留学生は最初遠慮しがちだが、積極的に発言する姿勢が重要
  • 少人数クラスとディスカッション:セミナー形式の授業が多く、10〜30人程度のクラスサイズ。学生同士のディスカッションとプレゼンテーションが中心。出席は必須でないプログラムもあるが、セミナーへの参加は成績評価に影響することが多い
  • 口頭試験(Oral Exam / Mundtlig eksamen):デンマークの大学では、筆記試験と並んで口頭試験が一般的。20〜30分程度の個別面接形式で、教授と外部試験官の前で知識を問われる。準備方法として、過去問の入手や学生グループでの練習が効果的
  • 自主学習文化:授業時間は日本に比べて少なく、自主学習に多くの時間が割かれる。図書館は24時間利用可能な大学が多く、グループワーク用のスペースも充実。デンマークの教育は「教える」のではなく「学ぶことを支援する」アプローチ

住居の選び方

デンマークでの住居探しは、特にコペンハーゲンにおいて留学生が直面する最大のチャレンジの一つです。コペンハーゲンは慢性的な住宅不足に悩まされており、学生向けの住居も例外ではありません。大学の学生寮(Kollegium / Kollegie)は最もコストパフォーマンスが高い選択肢ですが、入居競争が非常に激しく、多くの大学で入学許可の取得と同時(または入学前)に申請することが強く推奨されています。DTU、UCPH、CBSなどの主要大学は国際学生向けの寮を確保していますが、先着順や抽選制であるため、入学決定後に即座に申請手続きを開始してください。寮に入れなかった場合は、シェアハウス(Bofællesskab)やプライベートルームを探す必要がありますが、Facebook GroupsやBoligPortal.dk、FindRoommate.dkなどのプラットフォームが役立ちます。ただし、詐欺も報告されているため、実際に物件を見るか、信頼できる仲介業者を通じて契約することが重要です。内見なしでの送金は絶対に避けてください。

学生住居の種類と特徴

住居タイプ月額目安(DKK)月額目安(JPY)特徴・メリット注意点
大学学生寮(Kollegium)3,500〜5,000約75,000〜108,000円最安値。共同キッチン・ラウンジで他の学生と交流可能。光熱費込みの場合が多い入居競争が非常に激しい。早めの申請必須。入学許可と同時に申込を推奨
シェアハウス(Bofællesskab)4,000〜7,000約86,000〜150,000円現地学生との交流機会あり。デンマーク文化を直接体験できるFacebook Groupで探す場合は詐欺に注意。内見を必ず行うこと
民間アパート(単身)8,000〜15,000約172,000〜323,000円プライバシーが確保される。自分のペースで生活可能費用が非常に高い。学生の予算では厳しいことが多い
ホームステイ6,000〜9,000(食事込み)約129,000〜194,000円デンマーク文化・語学習得に最適。家庭料理を楽しめる選択肢が限られる。自由度が低い場合もある

学生アルバイトと収入

デンマークの学生ビザ(ST1)には就労許可が含まれており、留学中のアルバイトが認められています。就労時間の制限は、学期中(9月〜5月)が月90時間まで、夏休み期間(6月〜8月)はフルタイム勤務が可能です。この月90時間の制限はSIRIが設定するもので、超過した場合は在留許可の取消しにつながる重大な違反となるため、厳守が必要です。デンマークは法定最低賃金が存在しない国ですが、労働組合との団体交渉協定(Overenskomst)により、実質的な最低賃金水準はDKK 130〜180/時(約2,800〜3,900円/時)と非常に高い水準にあります。週15〜20時間のアルバイトで月DKK 8,000〜14,000(約172,000〜300,000円)程度の収入が見込めるため、生活費の相当部分をカバーすることが可能です(Study in Denmark Student Jobs)。なお、2025年5月2日以降の規定変更により、国家承認されていない教育機関の学生は就労許可が付与されなくなりました。主要大学(UCPH、DTU、AU、CBS等)はすべて国家承認大学であるため、これらの大学の学生は引き続きアルバイトが可能です(ETIAS Student Visa Rule Changes)。

  • 大学内TA(ティーチング・アシスタント)・RA(リサーチ・アシスタント):学業と直結する最も理想的なアルバイト。時給も比較的高い(DKK 170〜220/時)。教授に直接相談するか、大学の求人ポータルで募集を確認
  • カフェ・レストランのサービス業:コペンハーゲンやオーフスの観光エリアでは英語のみでも採用されるケースがある。チップ文化はないが、時給水準が高いため十分な収入になる
  • スーパーマーケット(Netto、Rema 1000、Lidl等):品出し・レジスタッフ。デンマーク語ができると採用率が上がるが、一部店舗では英語対応可能
  • IT企業のインターン・パートタイム勤務:コペンハーゲンはスタートアップハブであり、英語環境のテック企業が多い。LinkedInやTheHub.ioで求人を検索可能。履歴書の充実にも繋がる
  • デリバリーサービス(Wolt、Just Eat等):柔軟なスケジュールで働ける。自転車があれば即日開始可能な場合も。ただし天候の影響を受けやすい
  • 大学の国際学生メンター・チューター:新入生のサポートを行う。時給は一般的にDKK 150〜180程度。大学での人脈構築にも有効

国際学生サポートサービス

デンマークの大学は国際学生向けのサポート体制が充実しています。各大学には国際学生オフィス(International Office / International Student Services)が設置されており、ビザ相談、住居探しのサポート、大学生活全般のアドバイスを提供しています。到着前から連絡を取ることが可能で、渡航前の疑問点を事前に解消できます。多くの大学ではバディプログラム(Buddy Programme)を運営しており、到着直後の数週間を現地のデンマーク人学生がマンツーマンでサポートしてくれます。空港への出迎え、住居への案内、スーパーマーケットでの買い物の同行、行政手続きへの付き添いなど、初期適応を大きく助けてくれるサービスです。入学申請の際にバディプログラムへの参加希望を表明できる大学が多いので、積極的に利用してください(Brive Study in Denmark)。

  • 国際学生オフィス(International Office):ビザ相談・住居探し・大学生活全般のサポート。メール・電話・対面での相談が可能。渡航前から利用可能
  • バディプログラム(Buddy Programme):到着直後の現地学生によるマンツーマンサポート。空港出迎え・住居案内・行政手続き同行。入学申請時に参加希望を表明可能
  • デンマーク語コース:多くの大学で無料または低額(DKK 500〜2,000/学期程度)で提供。入門レベル(A1)から中級(B1-B2)まで。週2〜4回の授業形式が一般的。Sprogcenter(言語センター)での外部コースも選択肢
  • カウンセリングサービス:学業相談・メンタルヘルスサポート・キャリアカウンセリング。英語対応可能。デンマークの冬の長い暗闘期間(11月〜1月は日照時間が短い)にメンタルヘルスの問題を抱える留学生も少なくないため、必要に応じて利用を推奨
  • キャリアサービス:CV添削・面接対策・インターンシップ斡旋・就職フェアの開催。デンマークでの就職を目指す場合は在学中から積極的に利用すること
  • 学生組合(Studenterrådet / Student Council):学生の権利擁護・福利厚生活動。学生バー(Friday Bar)やイベントの運営。学生の声を大学運営に反映させる役割

デンマーク語習得と文化適応

デンマーク語の習得は、学術面でも就職面でも大きなアドバンテージとなります。英語プログラムに在籍している場合、授業自体はすべて英語で行われますが、日常生活やアルバイト、卒業後の就職活動においてはデンマーク語の能力が重要になります。多くの大学では国際学生向けに無料または低額のデンマーク語コースを提供しており、入門レベル(A1)から中級(B1-B2)まで、段階的に学ぶことが可能です。1〜2年の積極的な学習で日常会話レベル(B1)には十分到達可能です。大学のコースに加えて、Sprogcenter(言語センター)でのコースも選択肢に入れてください。デンマーク語は発音が難しいことで知られていますが、文法は英語と多くの共通点があるため、英語力がある学生にとっては比較的学びやすい言語です。

文化的適応については、いくつかの重要なポイントがあります。Janteloven(ヤンテの掟)はデンマーク社会の基本的な価値観であり、「自分を他人より優れていると思うな」という平等主義的な考え方です。ビジネスや学術の場でも自慢や過度の自己主張は好まれず、協調性と謙虚さが重視されます。デンマーク人の社交スタイルは最初は閉鎖的に見えることがありますが、一度関係を築くと非常に温かく誠実な友人関係を持つことができます。ヒュッゲ(Hygge)はデンマーク文化の核となる概念で、親しい人と過ごす居心地の良い時間を意味します。キャンドルを灯した夕食、友人とのコーヒータイム、毛布にくるまった読書など、小さな幸せを大切にする文化です。冬の長い暗闇(11月〜1月は日照時間が最短約7時間)は精神的に辛い時期となり得ますが、Hygge文化はこの暗い冬を乗り越えるためのデンマーク人の知恵でもあります。自転車文化もデンマーク生活の重要な要素で、コペンハーゲンでは人口の62%が自転車で通勤・通学しています。自転車道が整備されており、中古自転車はDKK 500〜2,000で購入できます。交通ルール(自転車レーンの使用義務・手信号等)は事前に確認しておいてください(Educations.com Denmark)。

健康管理とメンタルヘルスサポート

デンマークの公的医療制度はCPR番号を取得した住民に対して包括的な医療サービスを提供しています。留学生もCPR番号を取得すれば、かかりつけ医(GP / Praktiserende læge)への無料受診が可能です。デンマークの医療制度では、まずGPに受診し、必要に応じてGPから専門医への紹介状(Henvisning)を受ける仕組みとなっています。緊急時は緊急医療電話番号1813(コペンハーゲン地域)または直接救急外来(Akutmodtagelse)を利用できます。ただし、歯科治療は18歳以上の場合原則として自己負担(治療内容によっては25〜65%の公的補助あり)であるため、日本から留学保険に加入して歯科治療もカバーする契約を選ぶことが推奨されます。処方薬については、年間の自己負担額が一定額を超えると段階的に公的補助率が上がる仕組み(Tilskudsberegning)があり、慢性疾患で定期的に薬が必要な場合でも負担を軽減できます。渡航前に日本の主治医から英語の診断書(Medical Certificate)と処方箋リスト(英語名・一般名での薬品名記載)を取得しておくと、デンマークのGPへの引き継ぎがスムーズに行えます(Study in Denmark Permits and Visas)。

メンタルヘルスのケアは留学成功の重要な要素です。デンマークの冬は日照時間が非常に短く(12月のコペンハーゲンでは日の出が約8:40、日の入りが約15:40で日照時間は約7時間)、この暗闘期間にSAD(季節性情動障害)や軽度のうつ症状を経験する留学生は少なくありません。対策として、ビタミンDサプリメントの摂取、光療法ランプ(Lyslampe / Light Therapy Lamp)の使用、規則正しい運動習慣の維持が推奨されます。各大学にはカウンセリングサービス(Studenterrådgivningen)が設置されており、英語での心理カウンセリングを無料または低額で受けることが可能です。コペンハーゲン大学、DTU、オーフス大学などでは、国際学生専門のカウンセラーが常駐しています。カルチャーショックや孤独感を感じた場合は、一人で抱え込まずに早めに専門家のサポートを求めることが重要です。デンマーク全国の学生向けメンタルヘルスホットラインとして「Studenterrådgivningen」(studentcounselling.dk)があり、電話・メール・対面での相談に対応しています。また、各大学の国際学生コミュニティや日本人留学生会(Japanese Student Association)への参加も、精神的な支えとなります。

デンマークの食文化と日本食の入手

デンマークの食文化は、日本とは大きく異なります。伝統的なデンマーク料理にはスモーブロー(Smørrebrød / オープンサンドイッチ)、フレスケスタイ(Flæskesteg / ローストポーク)、フリカデラ(Frikadeller / ミートボール)などがあり、パンと肉・魚を中心とした食事が一般的です。朝食はライ麦パン(Rugbrød)にチーズやハムを載せたシンプルなもの、昼食もスモーブローが主流です。日本食が恋しくなった場合、コペンハーゲンには複数のアジア食材店があり、米・醤油・味噌・豆腐・海苔・カレールウなどの基本的な日本食材は比較的容易に入手できます。「Orient Supermarket」「Kiin Kiin Minimarket」「Chinese Supermarket」などが定番です。オーフスやオーデンセにもアジア食材店は存在しますが、品揃えはコペンハーゲンに比べて限られます。自炊をする留学生が多く、キッチン付きの学生寮やシェアハウスを選ぶことで食費を大幅に節約できます。デンマークの水道水は安全に飲用可能であり、ミネラルウォーターを購入する必要はありません。ただし、石灰分(カルシウム)が多い硬水であるため、日本の軟水に慣れている場合は味の違いに驚くかもしれません。電気ケトルの石灰除去を定期的に行うことも日常のメンテナンスとして覚えておいてください。

デンマークの大学では、インクルーシブな学習環境の構築に力を入れており、障害を持つ学生や特別な学習ニーズがある学生への支援体制も整備されています。各大学には専門のアクセシビリティオフィスがあり、試験時間の延長、ノートテイカーの配置、教材の代替フォーマット提供などの合理的配慮を受けることができます。また、DTU Student Guideでは、留学生活全般に関する実践的なアドバイスが豊富に掲載されており、住居探しから銀行口座の開設、CPRナンバーの取得手続きまで、到着後に必要なステップが網羅されています。

学業と生活の両立をサポートするため、デンマークの多くの大学ではキャリアカウンセリングサービスも無料で提供しており、在学中からのインターンシップ先紹介や履歴書(CV)の添削支援を受けることができます。

留学生同士のネットワーキングの場として、各大学のインターナショナルスチューデントオフィスが定期的に開催するソーシャルイベントやワークショップも積極的に活用しましょう。異なる文化的背景を持つ学生との交流は、視野を広げるだけでなく、将来のグローバルなキャリアネットワークの基盤にもなります。

デンマークの大学キャンパスでは、自転車が最も一般的な移動手段です。コペンハーゲンやオーフスなどの主要都市には整備された自転車専用レーンが張り巡らされており、学生の多くが自転車で通学しています。中古自転車は2,000〜5,000DKK程度で購入可能で、DBA.dkやFacebookマーケットプレイスなどのプラットフォームで手軽に見つけることができます。

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卒業後の就労ビザ

就職活動ビザ(最大3年)、Pay Limit Scheme、Positive List等の就労ビザ種別と、デンマーク就職市場の実態を解説します。

卒業後のデンマーク就職・ビザの全体像

デンマークの大学を卒業した非EU学生には、卒業後もデンマークに滞在して就職活動を行ったり、就労したりするための複数のビザルートが用意されています。デンマーク政府は国際的な高度人材の獲得に積極的であり、特にIT・工学・グリーンエネルギー・ライフサイエンスなどの分野で海外人材の受け入れを推進しています。卒業後のビザの選択肢は主に4種類あり、(1) 就職活動ビザ(Job Search Permit / Establishment Card)、(2) Pay Limit Scheme(給与上限スキーム)、(3) Positive List(不足職種スキーム)、(4) Fast Track Scheme(認定企業経由)です。それぞれに異なる要件・期間・申請手数料が設定されており、自分のキャリア状況に応じて最適なルートを選択することが重要です。なお、2025年5月2日以降の規定変更により、国家承認されていない教育機関の卒業生は就職活動ビザの申請資格を失うことになりました。デンマークの主要大学(UCPH、DTU、AU、SDU、CBS、AAU、RUC、ITU)はすべて国家承認大学であるため、これらの大学の卒業生はこの規定変更の影響を受けません(SIRI Job Search Permit)。

卒業後の就労ビザ種別比較

ビザ種別対象有効期間主な要件申請手数料(DKK)
就職活動ビザ(Job Search Permit)デンマーク国家承認大学の卒業生最大3年(国家承認) / 6ヶ月(EVA認定のみ)卒業証明書のみ。在留中は週20時間まで就労可能840
Pay Limit Scheme(給与上限スキーム)高年収の内定を得た者雇用契約期間(通常1〜4年、更新可能)年収DKK 460,000以上(2024年目安)の雇用契約3,060
Positive List(不足職種スキーム)特定の不足職種に内定した者雇用契約期間Positive Listに掲載された職種への内定。最低年収DKK 375,000以上3,060
Fast Track Scheme(認定企業経由)認定企業に採用された者最大4年企業がSIRIの認定(Certified Company)を取得済み。月収DKK 35,800以上3,060
Startup Denmark(起業ビザ)デンマークで起業する者最大2年(更新可能)ビジネスプランの承認。最低DKK 100,000の資金証明3,060

就職活動ビザ(Job Search Permit)の詳細

就職活動ビザ(Establishment Card / Job Search Permit)は、デンマークの大学を卒業した後にデンマーク国内で就職活動を行うための在留許可です。この制度は2つのカテゴリに分かれています。(1) 国家承認大学(State-recognized Institution)の卒業生:最大3年間の就職活動許可。デンマークの8つの公立大学(UCPH、DTU、AU、SDU、CBS、AAU、RUC、ITU)はすべて国家承認大学に該当します。(2) EVA認定機関(非国家承認だが教育評価機関EVAの認定を受けた機関)の卒業生:6ヶ月間の就職活動許可。ただし、2025年5月以降の規定変更により、EVA認定のみの機関の卒業生に対する就職活動ビザは廃止される方向で議論が進んでいるため、最新の情報を確認してください。申請手数料はDKK 840(約18,000円)と比較的安価です。就職活動ビザの期間中は週20時間までのアルバイトが認められており、生活費を稼ぎながら就職活動を行うことが可能です。就職が決まった場合は、就職活動ビザから就労ビザ(Pay Limit Scheme等)への切り替え申請を行います。多くの場合、帰国せずにデンマーク国内から切り替えが可能です(Shakil Edu Post Study Work Permit)。

就職活動ビザを効果的に活用するためには、在学中から就職活動の準備を始めることが重要です。デンマークの就職市場では、LinkedInが最も重要な求人・ネットワーキングプラットフォームとして機能しています。プロフィールは英語(とデンマーク語があれば追記)で充実させ、スキル・経験・学歴を具体的に記載してください。主要な求人サイトとしては、Jobindex.dk(デンマーク最大の求人サイト)、Jobnet.dk(公共職業紹介所のサイト)、TheHub.io(スタートアップ・テック企業に特化)があります。大学のキャリアサービスも積極的に活用し、CV添削、模擬面接、就職フェアへの参加を通じて就活スキルを磨いてください。デンマークでは「隠れた求人市場」(非公開求人)が全体の60〜70%を占めると言われており、ネットワーキングが就職成功の最大の鍵となります。業界イベント、ミートアップ、カンファレンスへの参加を通じて人脈を広げることが推奨されます(AU Career Transition)。

デンマーク就職市場の実態

デンマークの就職市場は、IT・テック・グリーンエネルギー・ライフサイエンス・海運・デザインなどの分野で国際人材の需要が高く、英語のみで働ける職場も多数存在します。特にコペンハーゲンはスタートアップハブとして急成長しており、Zendesk、Unity Technologies、Trustpilotなどの世界的なテック企業が本社を構えています。一方で、デンマーク語の能力は就職の幅を大きく広げる要因となります。カスタマーサービスやマーケティングなど、顧客接点のある職種ではデンマーク語が必須とされることが多く、管理職や公共セクターでもデンマーク語力が評価されます。目安として、少なくともB1〜B2レベルのデンマーク語力を在学中に身につけておくと、就職の選択肢が大幅に広がります。デンマークの失業率は2024年時点で約2.5〜3%と低水準であり、高度な専門スキルを持つ国際人材にとっては比較的就職しやすい市場と言えます。

  • デンマーク語(少なくともB1〜B2レベル)の習得が多くの企業で重視される。在学中の語学学習投資は卒業後のキャリアに直結する
  • IT・エンジニアリング分野は英語のみで採用するケースが多い。デンマークのIT人材不足は深刻であり、国際人材の需要が高い
  • スタートアップ・テック企業(コペンハーゲンはスタートアップハブ)は英語環境が多い。TheHub.ioで最新のスタートアップ求人をチェック
  • グリーンエネルギー・サステナビリティ分野はデンマークが世界的リーダー。Vestas(風力タービン世界最大手)、Ørsted(洋上風力世界最大手)、Danfoss(エネルギー効率技術)などの大企業で就職機会がある
  • 製薬・ライフサイエンス分野はNovo Nordisk(世界的糖尿病治療薬メーカー)、Leo Pharma、Lundbeck(精神神経系医薬品)などの大企業があり、研究職や技術職で英語のみの採用が行われている
  • 海運・物流分野はMaersk(世界最大のコンテナ海運会社)、DSV Panalpina(物流大手)が本社をデンマークに置いており、国際部門では英語が公用語
  • 建築・デザイン分野はBjarke Ingels Group(BIG)、3XN、Henning Larsen Architectsなどの世界的建築事務所がコペンハーゲンに拠点を持ち、英語環境で働ける

デンマーク主要企業・就職機会のある分野

分野主要企業例デンマーク語要件年収目安(DKK)
IT・テックZendesk、Unity Technologies、Trustpilot、Templafy、スタートアップ多数英語のみOKが多いDKK 450,000〜700,000
製薬・ライフサイエンスNovo Nordisk、Leo Pharma、Lundbeck、Chr. Hansen英語OK(研究・技術職は特に)DKK 400,000〜650,000
グリーンエネルギーVestas、Ørsted、Danfoss、Siemens Gamesa英語OK(技術職)DKK 420,000〜600,000
海運・物流Maersk、DSV Panalpina、DFDS英語OK(国際部門)DKK 400,000〜600,000
建築・デザインBIG、3XN、Henning Larsen、COBE英語OK(国際プロジェクト)DKK 350,000〜550,000
コンサルティングMcKinsey(コペンハーゲン)、BCG、Implement Consulting英語OK(ただしデンマーク語があると有利)DKK 450,000〜800,000

永住権への道と日本帰国後のキャリア

デンマークでの長期滞在を考える場合、永住権(Permanent Residence Permit)の取得が視野に入ります。永住権の申請にはデンマークに連続8年間合法的に滞在していることが基本要件ですが、ポイント制度により最短4年で申請可能なケースもあります。ポイント制度では、デンマーク語能力(Prøve i Dansk 3以上)、雇用状況(正規雇用であること)、教育水準、自治体への貢献度などが評価されます。永住権を取得するためにはデンマーク語テスト(Prøve i Dansk 3 / PD3)の合格が必須要件であり、これはCEFRのB2レベルに相当します。長期的にデンマーク滞在を計画する場合は、留学中からデンマーク語の学習を真剣に開始し、卒業後も継続的に語学力を向上させることが最も重要な投資となります。さらに、デンマーク市民権(Citizenship / Statsborgerskab)の取得はさらに厳しい要件が設定されており、通常9年以上の合法的滞在とデンマーク語の高度な運用能力(Prøve i Dansk 3 + Statsborgerskabsprøven)が必要です。

一方、デンマーク留学・就労経験を活かして日本に帰国するキャリアパスも十分に魅力的です。デンマーク系グローバル企業の日本法人(A.P. Moller-Maersk Japan、Vestas Japan、Grundfos Japan、Novo Nordisk Japan、LEGO Japan等)では、デンマーク本社での就労経験やデンマーク語能力を持つ人材が高く評価されます。また、北欧デザイン・サステナビリティ・エシカルビジネスの分野は日本でも注目度が高まっており、デンマークの知見を日本市場に橋渡しするキャリアの需要が増えています。コンサルティングファームやグローバル企業の北欧担当として活躍する道もあります。デンマークの修士号は国際的に高く評価されており、日本を含む世界各国で通用するキャリア資産となります。留学中から帰国後のキャリアも見据えて、日本人ネットワーク(在デンマーク日本人会、日本大使館の留学生交流イベント等)との繋がりを維持しておくことも推奨されます。

デンマーク就職を成功させる在学中の準備

デンマークでの就職を目指す場合、卒業後ではなく在学中から準備を始めることが成功の鍵です。デンマークの就職市場では「ネットワーキング」が極めて重要な役割を果たしており、公開求人に応募するだけでは十分とは言えません。全求人の60〜70%は「隠れた求人市場」(非公開求人)であるとされ、これらの求人は個人的なコネクションやネットワーキングを通じてのみアクセスできます。在学中から業界イベント、ミートアップ、カンファレンス、大学主催の企業交流イベントに積極的に参加し、業界関係者との人脈を構築してください。LinkedInのプロフィールは英語で詳細に作成し、デンマーク語のスキルレベルも明記することで、リクルーターからの検索で見つけてもらいやすくなります。また、多くの大学では修士論文を企業との共同プロジェクトとして行う「Company Thesis」が可能であり、これは就職に直結する強力な戦略です。DTUでは150以上の企業パートナーがCompany Thesis用のプロジェクトを提供しており、論文完成後にそのまま正社員として採用されるケースも珍しくありません。

インターンシップもデンマーク就職への有効なルートです。一部のプログラムではインターンシップが必修科目として組み込まれており、10〜20 ECTSの単位として認定されます。インターンシップの期間は通常3〜6ヶ月で、学期中に行う場合と夏期に行う場合があります。企業インターンシップはデンマーク就職市場への最も確実な入口であり、インターン先でそのまま正社員として採用されるケースが多数報告されています。インターンシップの検索には、大学のキャリアサービスが提供するインターンシップポータル、LinkedIn、TheHub.io、Graduateland.comなどが活用できます。デンマーク語の習得は就職活動において決定的な差別化要因となります。多くの企業は社内コミュニケーション言語としてデンマーク語を使用しており、英語のみで業務が完結するのはIT・テック企業や国際部門に限られる傾向があります。在学中に少なくともB1レベル(日常会話が可能)、理想的にはB2レベル(ビジネス会話が可能)のデンマーク語力を身につけることを強く推奨します。大学の無料デンマーク語コースに加えて、Duolingo(デンマーク語コースあり)、タンデム学習(デンマーク人の友人と互いの言語を教え合う)、デンマーク語のポッドキャスト・テレビ番組(DR / デンマーク国営放送は一部無料配信)なども活用してください(Study in Denmark After Graduation)。

就職活動で活用すべきリソース一覧

リソース種別特徴・使い方
LinkedInSNS/求人デンマーク最大の求人・ネットワーキングプラットフォーム。プロフィール充実が必須。リクルーターが直接コンタクトしてくることも多い
Jobindex.dk求人サイトデンマーク最大の求人サイト。英語求人フィルターあり。アラート設定で新着求人を自動通知
Jobnet.dk公共職業紹介デンマーク公共職業紹介所の公式サイト。無料のキャリアカウンセリングも利用可能
TheHub.ioスタートアップ特化コペンハーゲンのスタートアップ・テック企業に特化した求人サイト。英語環境の求人が多い
大学キャリアサービス大学内サービスCV添削・模擬面接・就職フェア・インターンシップ紹介。無料で利用可能
Graduateland.com新卒求人北欧の新卒・若手向け求人プラットフォーム。インターンシップ求人も豊富
A-kasse(失業保険組合)就活支援就職活動ビザ中でもA-kasseに加入可能。就活支援・ネットワーキングイベントを提供。月額DKK 300〜450程度

デンマークでのキャリア構築において、LinkedInの活用は特に重要です。デンマークの採用市場ではLinkedInが最も広く使われるプラットフォームであり、企業の人事担当者の多くがLinkedInを通じて候補者を検索しています。プロフィールは英語で作成し、デンマークでの学歴や関連するプロジェクト経験を具体的に記載することが効果的です。また、デンマーク政府が運営するWork in Denmarkポータルでは、外国人向けの求人情報や就労ビザの手続きガイドが提供されており、卒業後の就職活動に欠かせないリソースとなっています。さらに、Aarhus University Career Guideでは、留学生から就労者への移行プロセスが詳細に解説されています。

デンマーク語の基礎的な会話能力は、現地での就職活動において大きなアドバンテージとなります。特にカスタマーサービスや教育分野では、デンマーク語が業務言語として使用されることが多く、語学力が採用の決め手になることも珍しくありません。

デンマークのスタートアップエコシステムも注目に値します。コペンハーゲンはヨーロッパ有数のスタートアップハブとして急成長しており、Fintech、GreenTech、HealthTech分野で多くの企業が外国人人材を積極的に採用しています。Educations.comのガイドでは、デンマークの産業構造と留学後のキャリアパスについても詳しく解説されています。

デンマークでの就職活動においては、デンマーク特有のビジネスカルチャーを理解することも重要です。フラットな組織構造、ワークライフバランスの重視、コンセンサス型の意思決定プロセスなど、日本の企業文化とは大きく異なる点が多くあります。面接では自分の意見を率直に述べることが評価され、過度な謙遜はマイナスに受け取られることもあります。こうした文化的な違いを事前に理解しておくことで、面接やネットワーキングの場でより効果的にアピールすることが可能になります。

よくある質問

日本の4年制大学を卒業すればデンマークの修士課程に直接出願できますか?

日本の4年制大学を卒業していれば、デンマークのほとんどの修士課程(Kandidatuddannelse)に直接出願することが可能です。ただしプログラムによっては、特定の専攻分野での学士号取得が前提条件となっていたり、関連科目の履修単位数に最低要件が設けられていたりする場合があります。例えばデンマーク工科大学(DTU)の理工系プログラムでは数学や物理学の履修が一定単位数以上必要であり、コペンハーゲンビジネススクール(CBS)では経済学やビジネスの基礎科目の取得が求められます。成績評価はECTSグレーディングスケールに換算され、一般的にGPA3.0以上相当が合格の目安とされます。出願前に各大学公式サイトの入学要件を確認し、不足単位がある場合はオンライン講座等で事前に補完しておくことを強く推奨します。

学費が払えない場合、奨学金だけで留学は可能ですか?

Danish Government Scholarship(デンマーク国家奨学金)を取得できれば、学費全額免除に加えて月額の生活費補助(grant)が支給されるため、理論上は奨学金のみでの留学が可能です。しかし、競争率は非常に高く、各大学で数名〜十数名程度の枠しかありません。現実的には、国家奨学金に加えてJASSO海外留学支援(月額2.4万〜3万円)、ロータリー財団グローバル補助金(原則USD 30,000以上)、各大学の独自奨学金(DTU Excellence Scholarship、UCPH Excellence Programme等)を組み合わせ、さらに貯金とアルバイト収入(月90時間まで可能、デンマークの時給DKK 130〜180で月DKK 8,000〜14,000相当)を加えた複合的な資金計画を立てることが推奨されます。

学生ビザ(ST1)の申請はどこでできますか?在日デンマーク大使館ですか?

学生ビザ(ST1タイプの在留許可)の申請は、デンマーク移民局SIRI(Danish Agency for International Recruitment and Integration)のオンラインポータルから行います。在日デンマーク大使館は東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイス内に位置しており、生体認証データ(指紋および顔写真)の登録のために大使館への訪問が求められる場合があります。申請には有効なパスポート、大学からの正式な入学許可証、英文の銀行残高証明書による資金証明、健康保険への加入証明書、パスポートサイズの証明写真の提出が必須です。申請料は約2,000DKK(約40,000円)でクレジットカードによるオンライン決済が可能です。審査には通常1〜2ヶ月かかりますが、夏季の繁忙期にはさらに長期化する場合があるため、渡航予定日の3〜4ヶ月前には手続きを開始してください。

デンマーク語が話せなくても留学・生活できますか?

デンマーク語が話せなくても、英語で授業が行われるプログラムに在籍していれば学業面では全く問題なく留学生活を送ることができます。デンマークは英語運用能力が世界で最も高い非英語圏の国の一つとされ、人口の約86〜90%が英語を流暢に話すため、日常生活においてスーパーマーケット、医療機関、銀行、公共交通機関などほぼすべての場面で英語が通じます。ただし、卒業後にデンマーク国内での就職を視野に入れている場合には、デンマーク語の習得が就職機会を大幅に広げる重要な要素となります。多くの大学では留学生向けに無料のデンマーク語入門コースを開講しているほか、各自治体運営のSprogcenter(公的語学学校)では初級から上級まで体系的な語学教育が提供されており、留学生は通常無料もしくは低額で受講することが可能です。

卒業後すぐに日本に帰国しなければなりませんか?

いいえ、帰国する必要はありません。国家承認大学(コペンハーゲン大学、DTU、オーフス大学、CBS等のデンマーク8公立大学すべて)を卒業した場合、最大3年間の就職活動ビザ(Job Search Permit / Establishment Card)を申請できます。申請手数料はDKK 840(約18,000円)と比較的安価で、卒業証明書(英語)があれば申請可能です。就職活動ビザの期間中は週20時間までのアルバイトも認められており、生活費を稼ぎながら就職活動を行えます。就職が決まれば、Pay Limit Scheme(年収DKK 460,000以上の雇用契約)やPositive List(不足職種への内定)の就労ビザに切り替え可能です。この3年間の猶予期間はEU圏内でも最も寛大な制度の一つです。

DTUの修士課程の学費はいくらですか?

DTU(デンマーク工科大学)の修士課程の学費は、非EU/EEA学生の場合1学期あたりEUR 7,500(約120万円)です。修士課程は標準2年間(4学期)なので、学費の合計はEUR 30,000(約480万円 / 2026年レート参考)となります。学費は全修士プログラム共通の金額設定であり、工学・IT・物理・化学・バイオなど分野による違いはありません。学費の支払いは学期ごとの分割払いが可能です。これにKongens Lyngby(DTUキャンパス所在地)近郊での生活費(月額DKK 7,000〜12,000 / 約15万〜26万円)を加えると、2年間の総費用は約900〜1,200万円が概算の目安です。DTU Excellence Scholarshipに採択されれば学費の一部〜全額が免除される可能性があり、出願時に自動的に審査されます。

留学中にアルバイトはできますか?時間制限はありますか?

はい、学生ビザ(ST1)には就労許可が含まれており、在留許可の条件としてアルバイトが認められています。就労時間の制限は、学期中(9月〜5月)が月90時間まで、夏休み期間(6月〜8月)はフルタイム勤務が可能です。デンマークには法定最低賃金はありませんが、労働組合の団体交渉協定(Overenskomst)により実質的にDKK 130〜180/時(約2,800〜3,900円/時)が相場です。週15〜20時間で月DKK 8,000〜14,000(約17万〜30万円)程度の収入が見込めます。月90時間の超過は在留許可の取消しにつながる重大な違反であり、厳守が必要です。2025年5月以降、国家承認されていない教育機関の学生は就労許可が付与されなくなった点にも注意が必要です。主要8大学の学生はすべて就労可能です。

医療費は留学中も無料ですか?

デンマークでCPR番号(社会保障番号)を取得し住民登録を完了した留学生は、デンマークの公的医療制度(Sundhedsvæsen)を利用できます。かかりつけ医(GP / Praktiserende læge)への受診は無料で、GPからの紹介による専門医受診や入院治療も公的医療でカバーされます。緊急時の救急医療も無料です。ただし、歯科治療は18歳以上は原則自己負担(治療内容により25〜65%の公的補助あり)で、眼科検診やコンタクトレンズ処方も自己負担です。処方薬は年間DKK 1,035以上の自己負担後に段階的な公的補助が適用される仕組みです。CPR番号取得前の渡航直後期間(通常1〜3週間)は公的医療を利用できないため、民間の留学生保険(海外旅行保険)への加入を出発前に完了しておくことを強く推奨します。

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